【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第15章 Loving Them Is Ruining Me
黒尾はそんな 仁美 の違和感に気づかないまま、歩きながらぽつぽつと話し続けていた。
またこうして一緒にいられること。
同じ空気を吸って、同じ道を歩いていること。
それがどれだけ嬉しいかを、噛みしめるみたいに。
「……やっぱさ、仁美とこうして会えるの幸せだわ。」
何気ない声なのに、どこか熱を帯びている。
まるで、やっと掴んだものを手放すまいとしているみたいに。
立ち止まった黒尾は、急に 仁美 を引き寄せて抱きしめた。
逃げ道を塞ぐみたいな腕。
そのまま額に、頬に、唇にキスを落とす。
仁美 の思考が追いつく前に、唇が触れ合っていた。
「……ねえ。」
仁美 はそっと黒尾の胸に手を当てて、距離を作る。
「私、昨夜……なに言ってた?」
黒尾は少しも考え込まずに笑った。
「ずっと俺が好きだって。何回も言ってた」
その言い方が、あまりにも嬉しそうで。誇らしげで。救われたみたいで。
胸の奥が、きゅっと縮んだ。