【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第15章 Loving Them Is Ruining Me
ゆっくりと開いた瞳が、焦点を合わせる。
「……起きた?」
低い寝起きの声だった。
研磨は 仁美 の顔をじっと見てから、小さく身を起こす。
その視線はすぐに、顔色や仕草を確かめるようなものに変わった。
「……体、大丈夫?」
仁美 は小さく頷きかけて、けれど視線を逸らした。
「……うん。大丈夫……」
声は出たけれど、目は合わなかった。
胸の奥に残る違和感を、自分でも上手く言葉にできないまま。
そのとき、背後の腕に力がこもる。
逃がさないように仁美の体を引き寄せる。
「……仁美……。」
掠れた声と一緒に、黒尾が目を覚ましたのが分かる。
首元に顔を埋められて、黒尾の声で呼ばれる名前に、微かに体が震えた。
黒尾は何度も 仁美 の名前を呼びながら、短く、確かめるようにキスを落とす。
頬に。こめかみに。髪に。
離れたくないと、そのまま伝えるみたいに。
仁美 は黒尾の唇の感触を確かめるように、ゆっくりと目を閉じた。