• テキストサイズ

【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】

第7章 Obsession


仁美は、その胸の中でゆっくり顔を上げる。




「クロの言葉で聞きたい……。どんなふうに好きだったのか聞かないと…ずっと、想像して苦しむだけだよ。」




小さく、でもまっすぐな声。




黒尾の目が揺れる。

簡単に折れない男が、追い詰められたときの目。




胸が上下し、呼吸を整える。

喉が震え、言葉を探してる。




「仁美に嫌われるのが怖い…。」



嫌いにならない…。

そんなことは言えない。




黒尾は仁美の体を抱きしめた。

誤魔化す訳ではない。

彼は震える手で、仁美を腕の中に押し込める。




「……話しているあいだ、仁美も抱きしめて…。」

仁美は震える黒尾の声に、返事をするかわりに大きな彼の背中を抱きしめる。



ポツンとポツンと…。

歯切れが悪く。

それでも黒尾は話だした。



誤魔化すことをしないで、真剣に。



言葉が途切れると彼の手は強く仁美を抱きしめた。

隠したい気持ちはそれでも、黒尾の言葉で仁美の耳に届いた。

/ 312ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp