【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第7章 Obsession
裸で布団の中で黒尾と二人。
寒くは無かった。
だけど、黒尾の言葉が胸に突き刺さるたびに、仁美もまた彼の背中を抱きしめた。
黒尾が最後の言葉を出した時、仁美の涙は止まっていた。
逆に黒尾の方が目を赤くして泣いているようだった。
彼は何度も「ごめん」と謝った。
だけど仁美は黒尾がなにが悪かったのかも分からない。
付き合っていたわけではない。
自分の好きな人が、他に好きな人が出来ただけだった。
黒尾は…。
他に好きな人がいた。
あらためて黒尾の言葉で伝えられると、やはり胸が締め付けられた。
「仁美は研磨が居るから、俺がいなくても大丈夫だと思ったんだ…。だけど俺がダメだ。研磨にも誰にも触れさせたくない。仁美だけにしかそんな気持ちにならない。」
黒尾の言葉を聞いて思った。
彼は研磨とキスをしたと知らなかったら、そのままその人の元に行っていたのではないか。
それは本当に好きだと…恋だと言うのだろうか…。