【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第6章 No One’s Yours
「クロを傷付けたい?……俺を使って…。」
「……研磨ごめん……。忘れて……。」
仁美は研磨の顔を見て、ようやくこれが彼を傷付けようとしていると気が付いた。
バッと顔を腕で隠して起きあがろうとする。
その仁美の腕を掴んで、ベットに押しつけた。
「研磨……。」
「……いいよ…。これくらいで俺は傷付かない…。」
そう言った研磨の顔は一瞬見せた憂はなくなり、いつもの真っ直ぐした目を仁美に向けていた。
押しつけている仁美の手に自分の指を絡める。
「仁美は?後悔しない?」
「……………。」
すぐにしないとは言えなかった。
頭の中で黒尾の言葉がぐるぐると回った。
「……クロ、私が好きであの人は執着だって言ってた…。」
「うん…。」
「クロの話聞いて、私の方が執着で、クロの好きはあの人じゃないかって思った。」
黒尾の好きはとっくに自分には無い。
そう言葉に出したらやっぱり涙が出た。
「…うん…。俺もそう思うよ…。」