【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第6章 No One’s Yours
それでも、自分が見たことのない服の中を黒尾が触れたことには変わらない。
そんな事を許すほど、仁美の気持ちが黒尾に向いたのかと胸が締めつけられる。
「…仁美…。」
「……………。」
研磨の手が、仁美の首筋に触れる。
それはこれから彼女の体を黒尾と同じ様に触れると言う合図だ。
ゆっくりと首筋から胸元に手が移動する。
その間、研磨はジッと仁美の顔を見ていた。
目を伏せているが、仁美は嫌がってはいない。
まだ黒尾と同じ立場であることに研磨は安堵した。
研磨の手が仁美の服の中に入ろうとした時に、仁美がポツリと言った。
「クロが……研磨には同じこと許さないでって……。」
研磨の手がピタリと止まった。
(……ああ…。)
目を伏せて仁美の顔を見ると、彼女は眉間に皺を寄せて目線は逸らされている。
「……クロが許せない?」
研磨がそう言うと、仁美は小さく頷いた。