【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第6章 No One’s Yours
「……クロは……。」
小さく震える声が喉から漏れる。
その続きを、唇で塞ぐように研磨がキスを落とした。
熱が、息が、喉の奥まで入り込んでくる。
背中に回された研磨の腕がゆっくりと力を増す。
仁美の身体は、あっという間に彼の熱に包み込まれた。
ベッドの縁に座った仁美を、研磨は自分の胸元に引き寄せ、そのまま押し倒すようにしてシーツの上へと導いていく。
「……研磨……。」
名前を呼んだ瞬間、彼の指先が頬から首筋へと滑っていく。
そして仁美の体に残る黒尾の痕を見つける。
その赤い印に研磨は目を顰めた。
「…はぁ…。アイツ本当に最悪…。」
不機嫌そうな研磨の目は、首筋を辿って仁美の目を捉える。
研磨と目が合って、仁美はビクッと肩を震わせた。
彼の嫉妬と怒りのこもった目から逃れたくなる。
「…クロにどこまで許したの?」
ゆっくりと低い声が仁美に降り注いだ。
「……研磨が思ってることはしてない……。」