第2章 偽りの肌
澪は耐えきれず、小さく声を漏らした。
甚「……良い声だ。」
甚爾はその反応に満足したように笑い、さらに速度と圧を増す。
支配するような目と容赦ない動きが、理性を削り取っていく。
甚「もっと……聞かせろ。」
命令のような声が、頭の奥まで響く。
指先は的確に弱点を攻め、快感の波が途切れることなく押し寄せた。
甚「……な、もうお前、自分じゃ止められねぇだろ。」
耳元で囁きながら、舌先が首筋をなぞる。
甘い感触と鋭い刺激が同時に押し寄せ、澪は小さく喘いだ。
甚「俺の言うことだけ、考えてろ。」
甚爾の声は低く、支配欲と熱を孕んでいた。
そのまま身体を深く絡め、完全に逃げ道を塞ぐ。
「……や、やっぱり……悟じゃ……ない……。」
途切れ途切れの息の中で、澪は震える声を搾り出した。
普段の悟の柔らかな動きとは違う、荒く容赦のない愛撫に混乱と恐怖そして抗いがたい熱が入り混じっている。
甚「何言ってんだよ……俺だろ、ほら。」
悟の顔のまま、薄く笑って軽く唇を重ねる。
口移しに吐息を送り込みながら、舌先で澪の声を封じた。
「違う……っ、だって……悟は……。」
甚「悟は、こういう一面もあるんだって。」
ふっと笑い、唇を離すと顎のラインをなぞるように舌を這わせる。
澪は必死に後ずさろうとするが、奥は壁。
逃げ場はない。
その恐れを含んだ瞳を、悟の顔をした甚爾は面白そうに見下ろした。
「……違うよ……悟じゃ……。」
甚「おいおい、幼なじみにそんなこと言うなって。」
わざと呆れたような口調で返しつつ、手は容赦なく太ももの内側をなぞる。
「や……っ……。」
甚「声、出てんぞ。……悟じゃないと感じないのか?」