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伏黒くんと。【呪術廻戦】

第2章 好きな色



 高専内の男子寮、伏黒恵の部屋。

 温泉から帰ってきた鈴は伏黒のベッドの上で、熱心に調べ物をしていた。

 彼の部屋に泊まるのは初めてではない。
 野薔薇に散々からかわれるのもいつものことでだいぶ慣れた。

「もう寝ないと明日起きられないぞ」
「うーん…」

 なかなかやめない鈴の手からスマホを取り上げる。

「あーっ!」
「明日にしろよ」

 そう言いながらちらっとスマホの画面に目をやると、下着の通販サイトだった。秒で画面を消した。

「…今見たでしょ?」
「見てねぇよ。おやすみ」

 鈴の頭から布団をかぶせて抜け出そうとする彼女を羽交い締めにする。
 ミルクティーベージュの髪からはいつもとは違うシャンプーの香りがした。

「伏黒くん!待って、待って!」
「さっさと寝ろよ」
「ちょっと聞きたいことがあるの。伏黒くんって何色が好き?」

「……黒」
「黒かぁ。あ、セクシー系?それともかわいい系?って下着の話なんだけど」

 その話かよ。寝られなくなるだろうが。

「明日ね、野薔薇ちゃんと買いに行こうと思って。せっかくだから伏黒くんの好きなの聞いとこうかなって」

 もぞもぞと布団から出てきた鈴はスマホを手に取り、画面を開いた。
 黒の総レースの下着。上下共にギリギリのラインまで透けていて、際どいところまで見えそうだ。

「こっちのはひもでくくるようになってて…」
 スワイプして、さらに覆う面積の狭い危うい下着を見せつけられる。

「もういいから寝ろ!」
「何で怒るの?」

 布団ごと彼女を抱きしめると、最初はじたばたしていたが諦めて眠ってしまった。



 その夜、黒の総レースの下着姿の鈴に迫られる夢を見た。

 一瞬でも悪くないと思ってしまって、まさか自分はムッツリなのかと不安になった。
 

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