第15章 第14話 ― 優しい安心 ―
とある休日、
私は北翔さんのバーへと足を運んでいた。
扉を押し開けて店内に入ると、
北翔さんは、いつものように
カウンターの内側でシェイカーを振っていた。
「いらっしゃいませ。何を飲まれますか?」
「ジン・トニックをお願いします」
「かしこまりました」
店内に流れるピアノの旋律に耳を傾けながら、
カクテルが出来上がるのを待つ。
やがて、
彼は出来上がったカクテルを置きながら、
私に、そっと問いかけた。
「少し、疲れた顔をされていますね」
「実は……
最近、悩み事があって……」
「そうなんですね。
今は、無理に急いで答えを見つけようとしなくて
いいと思いますよ。
きっと、そのうち分かりますから」
その言葉を聞いて、
私の心は、ようやく少し落ち着いた気がした。
バーからの帰り道、
私は、
答えは急がなくていい
ゆっくり探せばいい
そう、思っていた。