第3章 南波くんの重たい愛
「なぁ、古村。」
扉の向こうで彼が話しかける。
「い、一緒に入らないよ。」
「違う違う。もう、手出したりせぇへん。」
じゃあ、なにー?と、いつもの感じで返事をする。
数秒返事が止まったのち、彼は喋り出した。
「俺、さっちも言ったけど、告白したこと撤回せぇへん。いつもの飲み友達みたいに接して欲しいとも思っとらん。お前のことが好きな異性として見て欲しい。」
『……。」
「お前の気持ち考えずにこんなこと言うて、困らせとるのわかっとる。でも、諦められへん。…好きになってもらえるように頑張るから、考えて欲しい。」
まっすぐな気持ちを伝えられて、心臓がきゅうと締まる。
「わかった…。」