第2章 芹沢先輩
「お客様、失礼します。飲み物お待たせしました。」
部屋のドアをノックして、店員が扉を開けて来た。
返答に困っていた自分からしたらベストタイミングだと思っていた矢先、トレーから運ばれたのは日本酒が二つ。
あれ、頼んだのビールだったはずなんだけど、、。
「すみません、店員さん。それ違う卓のだと思います。」
すぐさま先輩が店員に伝える。
店員はすぐ手元にあった伝票を確認して、慌てて頭を下げた。
「失礼致しました!」
部屋を出ようとするところを見届けていたら、
向かいの部屋のドアが開くのが見えた。