第5章 ダークホース
しかも、漂う危ない雰囲気。
キス手前の距離に怒りが込み上げとった。
俺がずっと好きやった、ずっと想っとたそいつに簡単に触れさせてたまるか。
つかこれからもそんなこと絶対に……
「いいわけないやろ。こいつは毎週俺と飲む約束しとんのや。覚えとけ!!!」
彼女が困った顔をしとったが、正直そんなんはどうでもよかった。
腕を掴んで店から引っ張り出す。
こいつとあの芹沢が近くにいるってだけで気が狂う。
俺が数年片思いして、一番近くで見てきたのにポットでの野郎に取られてたまるか。
そんなんやったら、最初から力ずくでも俺のモノにしといたらよかったんや。