第5章 ダークホース
古村に大丈夫かと問われたが、なんでもないと答える。
あかん、平常心、平常心やで自分。
「高校生の恋愛か。」
「それね…。」
彼女なりに自覚はしとるような様子やった。
そいや、付き合ったのは高校生の時だけなんて初めに出会った頃にそんな話しとったな。
「でも、この10年間異性に可愛いなんて言われたことなかったから、そりゃ意識するでしょ!!」
さっきより更に顔が赤くなっていく。
やっぱり、俺がすぐにでも可愛いって伝えとけばよかった話やんか!!
何か、何か諦めてもらえるような策を考えなかあかん。
「仮に意識したとしてもやで?そんな理由で好きにはならへんって。」
気のせいやって思わせんと、このままじゃ俺のこの気持ちなんて一生打ち明けられん。
「てか、えーっとその芹沢先輩やったけ。彼女おるん?」
「いや、ぶっちゃけわからない。」
わからんのんかい!!
何回か話したことある先輩ちゃうんかいな。
ほんまに出会って数秒で落とされとるやんこいつ…。