第5章 ダークホース
進んだ先は駅に近いベンチだった。
街頭の光に照らされて何席か空間を開けて並んでいる。
近くに大学生くらいのカップルが座って仲良く話している場所に少し距離を空けて座った。
この辺だったら、割と静かだし休めそう。
はぁ…と一息ついて、自販機で買った水を口に含む。
一週間の労働による疲れも重なり、かなり早いペースでアルコールが回り始めていた。
あー、ちょっと…眠たいかも。
よく、金曜日には道端で泥酔している人を見かけては、自分がちょっと引いた目で見ていたのを思い出し、こんなところで寝てはいけないと意識を戻す。