第2章 喧騒と日常
[………!椿ちゃ…]
駆け込む前に気づかれてしまった
仕方ないとはいえこれは
[あ?]
[………?女……?いや]
[ん?あれ?椿と………]
(あちゃ〜…)
タイミングが良いのか悪いのか榊兄弟とバッタリ会ってしまった
何てこった
(………………うん…)
とてもまずい
非常にまずい
大事なことだから3回言うけどまずい状況です
(…………冷や汗が)
背中にたらたらと流れまくって滝のように止まらない
可哀想でならない+申し訳なさが混雑してしまっている
私に話しかけてきた"相手"がボコボコにされるのは間違いなく確定
ボウフウリンを前にして"彼ら"は無傷で済むはずはないのだから
[え…と…つば…]
[…ふ〜ん…なるほどね〜はいはい]
[雨竜もいいよね?]
[……………(コクッ)]
[はいよ〜]
(ふ、2人まで…)
話を聞いてくれる感じがしない
これては退路は断たれたに等しい
(ごめんなさい…)
心のなかで謝罪をする
そして当たる前のように気配で察してくれた晴竜くん達
流石阿吽の呼吸
次席だからと言うわけではないだろうが連れ添ってきたからこそ汲み取るのも早いらしい
[あぁ?何だお前…………]
メンチを切ったら逆効果だ
更に燃え上がってしまう
それほどまでに導火線は
[…五月蝿い]
[黙りな]
切って燃え上がってしまっているのだから