第6章 英雄
[梶さん……!]
後ろを振り向いた瞬間梶さんが現れた
その瞬間手が解け相手から離れる
あれから数分しか経っていないのに急いできてくれたのだろう
[ああ?って〜!お前……]
[五月蝿い]
鋭い目つきを相手に向け
[っ……………あ…!]
言った瞬間男は落雷のように素早い蹴りを食らわされダウンしてしまった
(…すごい)
全然見えなかった まるで一瞬の出来事
これではしばらく動けないだろうというか気絶してしまっている
[大丈夫か!?!?]
[わっ……!]
がっと肩を掴み心配そうに見つめられる
答えが欲しいと言わんばかりに瞳を覗かせて
(…………)
彼にまた心配をかけてしまった 申し訳ない
だから
[ありがと…!梶さん…大丈夫だよ!]
私にできることは彼を安心させること
にこっと微笑むと憑き物が取れたように落ち着いた顔を浮かべている
[…そうか]
[…あそこに行ってろ いいな]
[俺は柊さんに合流する]
[…うん!]