第2章 新たな日常
とはいっても……
「ダボダボ……」
身長160センチの私。銀さんが身長どのくらいなのかは分からないが、見た感じ20センチくらいの差はあるわけで。
部屋着を貸してもらったはいいが、ズボンはゆるゆるで、上の服はダボダボで、上の服1枚だけで下着が隠れるほどだ。
あれ、こういうのって右が前だっけ?左が前だっけ?
そうやってオロオロしていると、
「サイズどうだ?」
「!?」
銀さんが入ってきてしまった。
「っ...…やっぱりでけぇな。ブカブカじゃねーか」
「っあ、で、でもないよりマシです、ありがとうございます…」
背を向けて着替えていると、なにかに気づいたのか、銀さんは後ろまで歩いてきており、
「ちげぇよ、これは……」
そういうと、私の背中から手を伸ばし、服を着替えさせてくれる。
要するに、バックハグの形で服のひもを結んでくれているのだ。
背中に伝わる体温、そして後ろから伸びる太い腕。息遣いにわたしはドギマギする。
「……こっちが前だ、覚えときな。」
どうやら、前にするのをまちがえていたらしい。直してくれていた。
「あ、ありがとう…ございます…」
銀さんはそのまま部屋から出ていった。
き、緊張した……
「銀ちゃんなんでそんなとこで座ってるネ?」
「……なんでもねぇよ……」
銀時が部屋の外で真っ赤になって座り込んでることは貴方は知りませんでした。