第1章 まもりたい。【坂田銀時】
「おい」
ドスの効いた低い声がきこえたかとおもったら店長がぶっ飛んでいった。
「っ!?あ……」
私の目の前に拡がったのは白い背中だった。
「やっぱりアンタか。てんちょーさん。」
「ぎ、銀時さ……」
震えながら名前を呼ぶと銀時さんは私に振り向き優しく微笑んでくれた。
「待たせたな、ヒーロー参上…てか?」
そういうと私の着崩れた着物を隠すかのように羽織をかけてくれた。
「客に、お前が団子作ってるところは見たことがないって昨日きいてよ、もしかしたらって思ってな。……来てみて正解だった」
「あ……」
「っ!!てめぇ!!昨日ちゃんと一緒にいた…!!」
店長が起き上がり、再び銀時さんは私の前にまもるように立ちはばかる。
「ちゃんは俺のものだ!!消えろ!!!」
と、その場にあった包丁を持ちおそいかかってくる。
「っきゃ、」
と、目を瞑ると1度大きい音が鳴ったかと思うとその場に店長が倒れていた。
「ばーか、こいつは俺のものだっつの」
銀時さんはそういいわたしの手を取りそのまま走りだした。