第3章 優しさに触れ【沖田総悟】
きつい言葉に目が熱くなる。
ううん、確かにそうだ。
家で飼えるかもわからないのに。
「……すみません、でした。」
声が震えながら頭を下げると、分かったならいい、と土方さんは背を向けて帰っていく。
すると……
「お前……気にすんなよ」
と、沖田さんは私の頭の上にそっと手を乗せながら呟く。
「土方さんはああいったが、俺はあんたがした事全部が全部悪いとは思ってないでさァ。ほら、見てみろィ。……こんなにいい顔で寝てるんだ」
猫ちゃんは幸せそうな顔で寝ている。
「だから、今こいつにとっちゃあんたは命の恩人なんだ。仮にこいつを飼えなかったとしても、あんたの優しさに触れることができたんだ。幸せだろィ」
その言葉に私の目からとめどなく涙が溢れる。
「あ、ありがとう……ござい、ます……」
沖田さんを見ると私と目が合い、優しく微笑んでくれる。
あまりいい噂をきかない一番隊隊長。
だけど、とても優しい人なんだとわたしは今日気づくことができた。