第3章 優しさに触れ【沖田総悟】
「あっ、猫ちゃん」
ある初夏の日。わたしは買い物に歩いていると、建物と建物の間に小さな命をみつけた。
生まれたばかりなのか、身体がとても小さな三毛猫だ。
三毛猫ってどちらかの性別かが珍しいってきいたっけ。
その子猫は親にでも捨てられたのだろうか。ミャーミャー鳴きながら親の姿を探している。
ご飯を食べていないのか身体は細く、その鳴き声すらか細くきこえる。
カラスが私の頭の上を飛んでおり、その視線はその子猫に集められている。狙われちゃってる。
……とりあえず助けなきゃ。
危険にさらされている小さな命を無視することはできず、わたしはその子猫に近づき、持っていた大きめのハンカチで猫を包み保護することにした。
「ごめんね、暴れないでね。」
私に抱き上げられてからも鳴きやむことはなく、必死に助けて、と叫んでいるようだった。
とりあえずカラスがいない場所へと避難しよう。後のことはそれから考えよう。
わたしは街の賑やかさから離れ、とりあえず静かな所へと足を進めた。