第2章 貴方はそのままで【土方十四郎】
私は元々、江戸でお父さんとお母さんと3人で食事処を営んでいた。
常連さんも私に優しくしてくれて、3人で仲良く切り盛りしていた。
そこそこ繁盛していて毎日忙しかったけど、大好きな両親と共に楽しい日々を送っていた。
ある日、お父さんととあるお客さんが揉めてしまって、その時は何も無かったんだけど……
わたしが買い出しに行ってる間、
そのお客さん……攘夷志士により
私の両親は殺されてしまったのだ。
店に帰ると2人が血を流して倒れていた。
何が起きたか分からなかった。
私は何も出来なかった。
そんな時、駆けつけてくれたのが
真選組だった。
たまたま近くで巡回していたらしく、騒ぎを聞き付けて店まで来てくれた。
その時わたしは隊士さんたちに保護され、その後、その攘夷志士を捕まえたとの事だった。
憎んで、憎んで、憎んだ。でも、その人を殺しても両親は帰ってこない。
1人になってしまった。
でも、そんな私を近藤さんはじめ皆さんが気にしてくれた。
小娘ひとりに申し訳ないくらい。
そのお陰で今の私がいる。