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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第7章 仮契 〜甘契〜


ショッピングモールの中を歩きながら副隊長に手を引かれる。首に回っていた腕はいつの間にか手に戻っていた。

パステルカラーの服が多く並ぶ店内を眺めながら、涼しい空調に流れる爽やかな香りを感じていた。

「寒ない?」

ノースリーブのワンピースの私に優しく聞く彼は、着ていたジャケットを脱ぎ、私の肩に掛けた。その優しさとジャケットに残った副隊長の温もりが、私の体温を上げていく。
少し冷えた肩や二の腕がほんのり温かくなっていった。

副隊長と買い物デート…私の心臓は持つのだろうか。すでに痛い程高鳴っているのに…。ショッピングモールの喧騒の中、私の周りだけが副隊長の声や仕草で埋め尽くされている気がした。
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