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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第5章 仮契 〜契初〜


「……ごめんなさい、もう少し…」

気付けばそんなことを発していた。副隊長は何も答えることなく服の上からブラをずらし、唾液で濡れた服に張り付く突起を優しく撫でた。

気持ちがないのは嫌なはずなのに、この人に触れてもらいたくてしょうがない。

大きくなる心音と共に甘い声が漏れていく。今にも気持ちを言葉にしてしまいそう。

「乳首好きなん?…下も触りたいんやけど。出来れば、挿れたい…」

「え?…あ、えっと……」

言葉に詰まっているとすまんと謝られて、私も謝ろうとしたが、言葉は喘ぎに変わっていく。擽るように先端を爪で軽く引っ掻かれれて、ピクピクと身体が震えた。

「おっぱいだけ弄られて、下、触って欲しくならんの?」

下腹部は疼きまくっている。それでも、ソコを触られるのは怖かった。いや、どうしていいかわからない、恥ずかしい。触れて欲しいけど、全て暴かれたくない。だって…気持ちがある行為ではないから。

ふるふると首を振って答えた。

「…僕は触って欲しい」

謝ることしか出来なかった。私が触ったとしても意味はないから。男の人を知らない私が触っても気持ちいいはずがないから。彼が満たされるはずもないから。

少し指で弄っていると彼は見ないから…と言って布団の中に潜り、服を捲ってブラを上にずらし揉む。優しい手つきで突起を見つけると、刺激を与えるものは指から舌に変わった。

直接、舌で…コロコロと転がされる度に甘い声を漏らしていた。

どのくらいか舐めていると、確かめるようにお腹を撫でて下腹部へとゆっくり下りていく。

「ご、ごめんなさい…」

「ん…寝よか」

服を戻して布団から顔を出した副隊長は、隣に戻ってまたお腹に手を置き、今度こそ本当におやすみと言った。
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