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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第5章 仮契 〜契初〜


基地について同期のみんなとの訓練が始まる。副隊長直々の剣道の指南から体力作りの走り込み、正直どれもきつい。

それに加えて、私の解放戦力は低い。低いと言っても新人の中では高い方だが…今は10%、入隊してから日が浅いのでほとんど伸びていないだろう。

私は怪獣を倒せるのだろうか…あの日、一般女性が基地内に侵入してきた時の出動は、怪獣8号発生を報せるものだった。

隊長や副隊長の帰りが遅かったのは、8号とは別に発生した怪獣が、2人が到着した時には爆発したように肉片が散らばっていたそうだ。

それに加え、入隊試験の時の怪事件…試験用に生け捕りしていた怪獣を私たち受験者が倒した。だが、生き返ったのだ。四ノ宮キコルが倒した本獣さえも生き返り、攻撃的ユニ器官が再生。

キコルちゃんが強度が上がった本獣を倒したらしいが、現場は8号が発生した時に別で現れた怪獣の現場と似たような状況だったらしい。

「強くならなきゃ…」

じゃないと、彼の隣で戦うことも、彼を守ることも、亜白隊長へ繋ぐ彼のこの国を守ろうとする気持ちも、何もかもが遠いものとなり、彼の心さえも手に入れることなんて出来ない。

厳しい訓練に必死で食らいついた。
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