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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第5章 仮契 〜契初〜


荷解きが終わると副隊長はシャワー浴びてきと私を浴室へと誘導した。はい、と渡された服を見てだんだんと顔が熱くなっていく。

なんでしっかり私の服と下着を持ってるんですか…せっかくさっき見られないで済んだのに。

慌てて奪い取り、思わずえっち!と叫んで副隊長を脱衣所から追い出した。えっちなんて…副隊長は何も意識してないはずだから、私だけがそんなことを考えてるみたいで…自身の発言に後悔した。

「男やから当たり前やろ〜」

廊下から聞こえてくる軽快な声に余計顔に熱が集まった。ほんの少しでも、副隊長も意識してくれてるんだろうか…。

シャワーから戻ると今度は副隊長が浴びに行き、私は夜ご飯のメニューを考えていた。何がいいかな…少し豪華にしたいな、などと考えながらも、これから始まる副隊長との同棲生活に胸を震わせていた。

いや、"同棲"じゃなくて"同居"と言う方が正しいかもしれない。表向きは同棲だが、私たちは本物の夫婦ではないのだから。

それでも、"同棲"という響きに気恥ずかしさを感じながらも、嬉しさを滲ませていた。
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