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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第25章 番外編 新婚の僕らが零す涙の向こうは


"「保科さん、すごい…!刀、かっこいいです!刀とか銃とか関係ない!防衛隊は市民を守る為のもの。保科さんは…えっと、その…強いです!すごいです!」"

そのセリフは今、僕の腕の中で微睡む、愛しい子が紡いだ言葉。通信機越しに届いたこの声が、この言葉が、僕の全てを奪っていった。

呆れるほど愛しくて、危ういほど僕を惑わす。僕の大切な子。それなのに僕は、この子を受け入れられなかった。気持ちを言葉にすることを拒んだ。

澪はあの頃はまだ、制服の匂いを纏っていた。亜白隊長に引き抜かれてから、あのトレーニングルームで出会った時、君の幼さを恨んだ。

それでも、震えて静かに冷たい涙を零す澪に、触れずにはいられなかった。

「あん時の澪、ほんまに消えそうやったな」

「ん〜?」

思わず零した言葉に反応した澪を、そっと抱き寄せる。

訓練中、君は僕を見ていた。視線が交わり、すぐに逃げる澪。僕の足は勝手に澪に向かっていた。心が求めとった。

あの日、顔を真っ赤にした君を抱き寄せた時、本当は焦っていた。僕の心臓の音を聞かれてまうんやないかと……。

「澪……」

大切な名前を呟きながら、腕の中の彼女の髪に口元を埋めた。どんなに触れ合っても、澪に触れる時、未だに緊張して、指先が震える。

うとうととしながら、彼女はまだ眠らない。
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