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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第4章 指令


美味いやんとモグモグと食べてから八重歯を見せて笑う副隊長を見つめた。優しさに心が解されていく。心の中で何度愛してると叫んでも、その想いは届かないことを知りながら、真っ直ぐ副隊長を見つめていた。

「そない見られると照れるわぁ〜…なに?どうしたん?」

「可愛いなって……っ!なんでもないです」

思わず本音を答えてしまい、慌てて訂正する。時すでに遅し、だが…。"好き"とか"愛してる"じゃなくてよかった。

せやろ?と満更でもなさそうに笑って、珈琲を飲んでいる。ただ珈琲を飲む姿ですら絵になるって…かっこよすぎません?

「君も可愛ええで?ボソッと本音言うてまうあたり…」

ニヤニヤとした笑みに変わって、揶揄っているのだと気付いた。わかっているのに嬉しくて、胸の高鳴りとぽかぽかとした温かさに包まれていく。
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