第21章 本心
10号に僕の思考を読ませ、二人で意思を合わせる。
「しくじれば今度こそ死。楽しむぞ」
目の前で僕と同じ体勢をとる12号と相対する。
お互い踏み込むと、地面が割れた。
核を砕く。一瞬の隙を作り出す。繋ぐ為。
必要なのは、奴の予想を上回る一手。
12号の胸を斬り裂き、すぐに背中へ回る。そして、2つのポッドから、短刀――いつもの二刀を取り出す。先程まで持っていた一刀は、10号が千切れた尻尾で持つ。三刀でいく。二刀型も一刀型も、もう奴には通用しない。
一気に距離を詰め、腕と脇腹を斬る。尻尾は片足を切断した。すぐに両腕を斬り落とし、6式で八つ裂きに。三刀での八重討ち。恐らくこれでも討れない。
核は露出出来た。こいつが本命。
「"7式"――…」
構想のみの机上の空論やったが、完全解放状態のお前となら実現出来る。
「超高速、12連撃の一点集中――」
保科流刀伐術7式、"十二単"。
刃のような腕で防がれた最後の一撃――で、終わりやない。
「怪獣、僕の勝ちや。結局僕は、繋ぎ役が性に合っとるようやな」
僕の腰から離れて弧を描き飛んでいった刀を持った尻尾は、12号のその首――核を貫いた。
斬り落とした腕が再生し、攻撃を仕掛けようと振り上げる。
核を貫かれてその闘志、ほんまに大したもんや。
核に亀裂が入り、12号の巨体が倒れる。
「怪獣12号、敵ながら天晴やった」
一瞬の静寂が訪れ、小此木ちゃんの声が響き渡る。
「ひ…標的…生体反応消失!保科副隊長――12号討伐成功!!」
澪、やったで。君の番や。