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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第21章 本心


12号の攻撃を躱しながらすぐにポッドへ移動する。

83%…解放戦力がそこから上昇しないのは――僕らの根源が揃っとらんかったから。

「しっかし……僕の原動力が"楽しいから"?そんなん単細胞すぎて、ほんまにお前みたいやないか」

ポッドから刀を取り出し、腰に携える。

まあ、"あの子がおる"いうんも、そうやろな。負けられへんねん。あの子の涙はもらわへんねん。僕が笑顔で刀を握り続けることで、あの子が笑うてくれとるんやったら…そんなん、手放すわけにはいかんやろ。

解放戦力は97%まで上昇した。それでも五分や。チャンスは一度、しくじれば今度こそ死。死なれへんから、僕はしくじらない。まあ、けど……

「ええか10号――…楽しむぞ」

「無論だ」

識別怪獣兵器10、完全解放。
今までよりも、腹の底から力が湧いてくる。

「ひゃ…100%!?」

小此木ちゃんの声が聞こえてきた。だがすぐに小此木ちゃんは慌て始める。

「小此木ちゃん、どないした」

「副隊長……なんでもありません!目の前の12号に集中を!」

あぁ、そうか。澪になんかあったんか。大丈夫や、僕はあの子を信じとる。勝ったら――指輪買うてやらんとな。
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