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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第20章 驚出


保科流刀伐術――一刀型。これだけは負けるわけにいかん。刀の柄をギュッと握った。刀は僕の"今まで"と"これから"…僕の全てが詰まっとる。守りたいもんは全部これで守ってきた。

兄貴は嫌いや。それでも…二刀型で勝てへんのやったら、持ってるもん全部使うたる。

保科流抜討術――
刀の柄に指を掛けたまま一気に駆ける。目の前にいた12号は、僕の後ろで腕を落とした。

「1式、朧抜き」

こっちならいける…!

「逃すな。畳みかけるぞ、ホシナ!!」

「言われんでもわかっとるわ」

重心を地面につきそうな程低くし、バチバチと音を立てて武器を強化していく。鞘を持った左手の親指で鍔のようになっているところを、一気に押し出した。

刀を真っ直ぐ目の前に突き出す。あの子に教えた技や――2式、風穴。
ズドンと大きな音と共に、10号の核と同じ位置に穴を空ける。だが、そこに12号の核はなかった。

12号の攻撃を躱しながら距離を取る。

「斬って斬って、斬り拓くのみ」

12号の身体の至るところを斬りつけていく。核は首にあった。その首目掛けて刀を突き出すが防がれ、僕の刀が折れる。

戦闘センスの塊みたいな奴や。もう一刀型に対応してきた。

すぐに折れた刀と鞘を捨て、ポッドから新しい刀を取り出す。刀伐術と抜討術を組み合わせて、さらに変化をつけた攻撃。そうやって、攻撃の手は緩めない。さらに強化していく。

腕を斬り落として、ガラ空きになった首を見据える。

「は?」

目の前の12号の姿に気を取られた。
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