第18章 愛縛 〜縛愛〜
「澪、カフカ。飯食うて帰ろか。僕の奢りやで」
「「はい!!」」
「なんやお前ら、食い気味やな」
日比野さんと一緒に頭を下げる。訓練が終わり、汗を拭いていた。結局、私も一緒に訓練を受けていた。自分が強くなっていく感覚は、いつでも胸が高鳴る。私も、父と母のようになれるだろうか。
行こかと手を引かれて基地を後にした。指が絡んでいるのが嬉しくもあり、恥ずかしかった。少し離れようとすれば、グイッと引き寄せられて、離れることが許されない。
「え、なんか…オシャレなとこ来ますね、保科副隊長」
「好きな子おるんやから、当たり前やろ」
連れてこられたお店で席に座り、二人の会話をドキドキしながら聞いていた。好きな子って私のことだよね?日比野さんってことはないはず…変なことを考えながら、隣に座る宗四郎の太腿を眺めていた。絶対、顔が真っ赤になっている。
何がええ?とこちらに身体を傾けてメニューを見せてくれる。未だに、近さに胸が高鳴っていた。適当な物を選び、注文を終えると、テーブルの下で指を弄られる。
人差し指を軽く握って撫でられたり、指先が手の平をつー…っとなぞっていく。擽ったさに、その指をぎゅっと握った。宗四郎の人差し指と中指が私に捕らわれて、それでも気にすることなく、親指で手の甲を撫でる。
なんだろう、この甘さ…恥ずかしいのに、心地良い。
「ふふっ…なぁ見て、カフカ。可愛ええやろ?」
宗四郎の指を握っている手が持ち上げられて、テーブルの上に乗る。解放しようとすれば、手の平を撫でられるので、握ったままだった。手を離すという考えはなかった。
「バカップル……仲良いっすね!」
穴があったら、入りたい。