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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第18章 愛縛 〜縛愛〜


リビングの扉を開けようとすると、ドタバタと音を鳴らしながら私の名前を呼んで駆け付けてくる。寝起きにそんな暴れたら怪我するよ…どうしたの。

ドタバタの最後はドンッ―と背中にぶつかってきて、よろけた私は扉に手をついた。痛い…そして、突然抱き締めてきてなんなのだ。

「澪からちゅーしたな。もうええんやな。えっちもすんで」

声がすごくまじなのですが…静かに抑揚もなく、はっきりと耳元で聞かれる。一気に顔が熱くなり、驚きで跳ね上がった心臓は、ときめきに脈打つ。

「夜…夜ならいいよ……」

「絶対やで。僕の澪は嘘つかんよな?」

僕の澪…嘘つかない…宗四郎のような嘘はつかないけど…昨日泣いていた人とは思えない程、元気で嬉しそう。だからもう、信じるよ。だって…あなたを信じないのは、私も辛いから。

大好きやと頬をぐりぐりと髪に擦り付けてくる。ちょっと痛い…わかったからと無理やり離してリビングに入る。

「澪の好き、欲しいんやけど…」

もう、この人は……。

「……好きだよ。宗四郎が好き」

「足りひん!」

せっかくリビングに来たのに、また寝室に戻されそうになる。わかったからと宥めて、無理やりキッチンに向かっていく。宗四郎は私に抱きついたままついてきた。とても、歩きにくい。

「大好き!愛してる!」

「それじゃあほんまかどうかわからへん。ちゃんと言うて。澪……愛しとる」

耳元で囁かれて力が抜けそうになる。膝から崩れ落ちそうになったが宗四郎が抱きついている為、そんなことにはならなかった。

「宗四郎のこと…愛してるよ」

顔どころか、全身熱くて燃えそうだった。ご飯、作れそうにない…。
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