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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第18章 愛縛 〜縛愛〜


空が白み始めた頃目が覚めて、トイレに行ってからまた寝室に戻った。酷いことを言ったことを謝ってからの記憶がない。私、何かやらかしたかな…。

ベッドの横に立ち、規則正しい寝息を立てる、整った顔を見つめる。恨めしい程にかっこいいと思った。本心はわからないが、こんなかっこいい人が私ことを好きだと、愛してると言った。

「……私も」

床に膝をつきベッドに肘をついて、いつもと変わらないような寝顔をボーッと見つめる。お腹の上に置かれている手は、綺麗に手入れがされており、至るところに出来たマメの跡が、見るだけでわかる程、硬くなっている。

それだけこの人は刀を握ってきた。毎日毎日…握らなかった日など、ないだろう。そんな人が嘘をつくなんて思わなかったけど、それは私の為だってわかっている。

あの夜は、私が拒み続けたから。この人がつく嘘も、この関係も…全て私が関係している。まだ若く人より少し小さいこの男の身体も心も、もし私で動かされているのならば、喜んであなたの全てを受け入れよう。

「……澪?おはよ。早いなぁ…起きるん?」

「うん、おはよ。ご飯作ってるね」

首を伸ばして軽く唇を重ね、髪を撫でてから寝室を出ていく。好きだから…愛しているから、すれ違うのはほんの少しの間だけでいい。
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