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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第18章 愛縛 〜縛愛〜


「ごめんなさい…」

いきなり謝られてよくわからずに、どしたん?と柔らかい髪の毛先を軽く撫でた。顔を見せてくれることはない。

「酷いこと言った。思ってもないことまで言おうとした。ごめんなさい」

肩が震えている。泣いているのだろう。昨日、泣いとったらしいけど、なんで僕には見せてくれへんのやろ…亜白隊長の前では普通に泣くんやろ?

「全部、本当のことやし…澪が謝る必要ない。さすがに嫌いは言われたら、堪えるけど…」

僕の前で泣いて欲しいとは思うけど、今泣き顔見たら、僕も耐えられへんかもしれない。僕のせいでは泣かせたくない。たぶん、今まで僕のせいで散々泣いてきたと思うから。

震える肩を見て抱き締めたいと思うのに、それが出来ないのが悔しかった。自分が悪いのにすごく悔しかった。指先が少し触れることさえ、許してはもらえない。

「ごめんな…許してもらえんのはわかっとるけど……好きやで」

嘘をつかなければこんなことにはならなかった。傷付けてたかもしれないけど、嘘をつくよりマシだったやろう。僕が他の子に逃げなかったら…。

やっと顔を見せてくれた澪は、ぷくぅ…と膨れていた。めっちゃ触りたい…可愛ええ。睨んでくるのは、上目遣いにしか見えない。思わず、可愛ええなぁと呟いていた。

いきなり立ち上がった澪は、ビールをもう1本飲み干し、完全に酔っている顔でふにゃふにゃとんでもないことを言い始めた。
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