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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第4章 指令


心臓壊れる…ブラ外された…本当にしようとしていたんだろうか。私のことは子供としか思っていないはずなのに…。

片手でホックを外した彼は、やはり慣れているのだと、痛い程実感させられた。勝手に零れてきた涙を拭って、また寝室に戻る。

「僕、怖い?なら、僕がソファ行くけど…」

「…怖くはないです。びっくりしただけで…」

怖いなんて思うもんか、好きな人に迫られるなんて、嬉しさしかない。驚いてベッドから落ちてしまったけど。

「ほんなら、一緒に寝よ?もうあないなことせぇへんから」

副隊長はどうして私と一緒に寝たいのだろうか…ソファには寝かせたくないという、ただの優しさだけなんだろうか…女として見られていないのはわかっているはずなのに、どうしても期待してしまう。

あんな風に触れたのは、少しでも私に心が動かされたからですか?意識してくれてるんですか?人の心を読む能力があったらいいのに…。

ベッドの近くまで来ると手を引かれて、少し距離を取りながら仰向けになる。無意識に両腕を胸の上に乗せて、副隊長がいる方とは反対方向に顔を向けた。

「そんな警戒せんで。ほんまにもう何もせぇへんから…朝霧が嫌や言うとこには触れへん」

お腹の上に腕が乗り、耳のすぐ近くで呼吸音が聞こえる。近い…近いです、副隊長…。

少しすると寝息が聞こえ始めた。私はこんなに緊張して眠れないのに、どうしてあなたはそんな普通に眠れるんですか…。
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