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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第4章 指令


「寝るんじゃなかったんですか?」

握っている手も腕枕になっている腕も離してもらい、私はまたベッドの端に寄っていた。あのままじゃ寝られるはずなんてない。

寝るで?と言いながら背を向けた私の背中に指先を滑らせてくる。項から下りていき、途中で引っ掛かりながらお尻の割れ目近くで離れる。

何をしたいんですか…ピクピクと反応する私を楽しむように、たまにふっと息を漏らす音がする。

「あ…っ…副隊長、や…」

指の動きを繰り返される度に私の息は荒くなり、次第に甘い声が漏れていく。下半身がムズムズし始めて、ぎゅっと足を閉じた。

「する?同じベッドおると変な気分なるわ」

絶対変なことしてるからですよ…。
また項から下りていき、引っ掛かった場所で止まった。そのままそこでモゾモゾと動き始めて、パチンッと弾ける。

一瞬思考が止まって、理解した頃には驚いてベッドから落ちていた。
何してるの?え?……本当にするつもりですか?

「ちょ…すまん、大丈夫か?やっぱ嫌よな。好きでもない男に迫られるん…」

"好きでもない"…少しも私の気持ちが伝わっていないことに安堵を覚えるのに、寂しくも感じる。

手を差し伸べる副隊長の手を取って、片手で胸を押さえながらまたベッドの上に戻った。これはどうしたら…。

「…トイレ行ってきます」

「ええよ、ここで直して。僕が外したんやし、僕が直そか?」

そんなことさせられるかと心の中で訴えて、行ってきますと足早に寝室を出た。
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