第18章 愛縛 〜縛愛〜
大きく開かれていた目が弧を描いて閉じられた瞬間、雫は頬を伝ってソファへと落ちていった。
「ははっ…大好きやろ?澪は僕のこと、大好きやよね?やから、そんなに傷付いてんねやろ…なぁ?」
宗四郎の乾いた笑みは私の心を締め付けた。泣きながら笑わないで…こんな顔をさせたかったわけじゃない。私たちはどこから間違えたの?どうしてこんなに、お互いを傷付けることしか出来ないの?
大好きな声が震えて、無理やり上げた口角から覗く八重歯が寂しい。息も忘れて、声にならない声が、喉から漏れた。もう…ダメだ。
縋るような彼の声や言葉が余計辛く感じる。堪えていた涙が溢れ出しそうで、咄嗟に俯いた。未だに口を押さえている冷たい手を余計冷やすように、冷えた涙が零れていく。
「……あっ!プリン!ビールもあるで!…なぁ、飲も?」
口を押さえていた手が頬をぐいっと擦りながら離れ、その腕で自身の目元をごしごしと拭っていた。その姿から、宗四郎の優しさと痛みが伝わってくる。
「私、こんな酷いこと言ったのに、まだ優しくするの?結婚、続けるの?」
「…離れんといてって……僕が悪いんやから、何言われても仕方ないやんか。どんだけ澪が離れようとしても、好きなんはやめられへん」
近付いてくる顔から逃げるように顔を背けた。