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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第18章 愛縛 〜縛愛〜


「本当に他の誰かとしたらどうする?」

煽るように問いかける。宗四郎が指輪を返してしまったから、もう縛るものはないよ。偽装結婚だって、もうほぼないのと同じ。

「やだ…知られたない。君の可愛ええ顔も声も、やらしいアソコも何もかも…僕以外の男に知られたない」

嫌やと手を握って、ジッと見つめてくる。私だって知られたくないよ。過去のことは仕方ないと思ってる。私とする前までしてたのに嘘をついてたのは許す。だけど…昨日のことだけはどうしても許せなかった。

出来るんやったらしたらええって言ったくせに…しないよと笑って立ち上がった。だがすぐに手を取られて、まだ…と呟かれる。甘えん坊の宗四郎、可愛い…。

雫が落ちる濡れた髪を軽く撫でると擦り寄ってくる。あざとい…心臓がきゅうとなって、今すぐにでもこの人に抱かれたいと思った。だけど、触れようと近付けば、嫌なことを思い出して思い止まる。

「…気持ちよかった?」

何が?と聞かれて、昨日…と返す。聞きたくもないのに、どうして聞いてしまうのだろう。

「最近までやっとったか聞いてたな……してた…嘘ついてごめん。やけど…君に触れるようになってから、どんなに頑張っても、他の女じゃイけへん」

何言ってんの?してるかしてないかが重要で、そんなこと聞いてない。でも…気持ちよかった?の答えがそれなら、私がいいってこと?

「前、澪とここでしてから、出してない」

ここでって…日比野さんに会った後だよね?

「え…朝は?私の布団で寝た後の朝、一人でしたんじゃないの?」

ふるふると首を振る宗四郎を見て、どうしたらいいかわからなくなった。
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