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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第18章 愛縛 〜縛愛〜


結局、訓練が終わり、宗四郎に手を引かれるままついていってしまう。スーパーに寄って買い出しをし、家に着く頃には空は、宗四郎の髪に似た色をしていた。

急いで食材を切り、火を通す。味を付けてからお風呂を沸かし、また火をつけて煮込んだ。お風呂は別で入りたいと言うが、宗四郎はそれを許してくれない。結局、私が折れて一緒に入ることに…。

「可愛ええね…ちゅーしてええ?」

「……もうしてる」

お湯に浸かってると頬を撫でられて、私が返事をする前に唇を重ねられた。

「やって、可愛くてしゃーないやもん…好きや」

胸焼けがしそうな程甘くなった宗四郎。元々、甘かったが、余計磨きがかかった気がする。
どうして気持ちは冷めてくれないんだろう。胸の高鳴りは治まることを知らない。

「あの…お返ししてもいいですよね?他の人、抱きましたよね?」

浴槽の縁に肘をついて宗四郎を見上げる。実際にするつもりはないが、このくらいは許されるだろう。少しくらい、私の気持ちを味わって。

眉間に皺を寄せた宗四郎が、その細い目でジッと見つめてくる。何も言えるはずがないのだ、そういうことをしたのはあなただから。

「僕以外で満足出来るんやったら…僕以外と出来るんやったらしたらええ。あぁ、敬語はやめてや。寂しいやんか」

全て見透かされているようだ。宗四郎以外と出来るはずなんてない。絶対に嫌だ。宗四郎は私は他の誰とも出来ないとわかっている。私にどれだけ惚れられているか、わかっている。でも私はわからない。あなたの気持ちがわからない。

それと、宗四郎が寂しいなんて言う資格ないから。宗四郎が悪いんだから。
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