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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第18章 愛縛 〜縛愛〜


訓練の時間になって部屋を出た宗四郎は途端に明るくなり、行こと手を繋ぐ。まだ演技を続けるつもり?私が幾ら嫌だと言っても、やめてくれないの?

「なぁなぁ澪…帰ったら澪が作った飯食いたい!ええ?」

「副隊長の家には帰りませんよ」

私は偽装をやめるつもりだ。ならもう、演技をする意味はないだろう。既に握っている手が、余計力を込める。

「あんな、僕な?澪が作るもんはなんでも好きやけど、肉じゃががいっちゃん好きやねん!」

時間がかかる和食…って作らないから。私の話、聞いてた?でも結局好きなんだよなぁ…どうせ、帰りには食材を買って宗四郎の家に行くのだろう。

今まで偽装だったからと許してしまえばいいのだろうか…あんなことをしておいて?何度も私を抱いておいて?それでも、身体を許したのは私で……もうどうしたらいいのかわからない。

ただ一つ確かのは――私の気持ちだけ。陰りが見える宗四郎の笑顔を見て、申し訳なく思うのは…惚れているから。

「プリン…とビール」

「……っ!買って帰ろな!幾らでも買ったる!」

世の大人は嫌なことがあるとお酒を飲んで忘れようとするとか…やってみよう。本当に忘れられるのか、確かめなきゃ。この機会にとことん貢がせてやる。
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