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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第18章 愛縛 〜縛愛〜


次の日、朝一番に隊長室へと呼ばれる。気が重い。昨日の今日で、会いたくない。それでも、終わらせる為には行かなくては…と重い腰を持ち上げた。

隊長室の前まで来て声をかけると、返事が聞こえたので中に入る。やはり宗四郎はいた。当たり前だ、昨日、そう言われたのだから。

「保科、朝霧が偽装結婚をやめたいと言ってるのだが、いいのか?今更、別の人とする訳にもいかんのだが…」

私は黙って俯いて聞いていた。後で、亜白隊長に言ったのかと責められるかもしれない。やだな…。

「そうですね…澪がやめたい言うとるんなら、しゃーないですわ。受け入れます」

他の人はいらないと言っていた。相手は私だという条件で偽装結婚を受け入れたらしい。そのくせ、あんなことしたんだ。

「偽装はやめますけど…結婚はやめたありません」

思わず、は?と宗四郎を睨んでしまった。意味がわからない。他の人と行為をしたいなら、私なんて邪魔じゃないか。なんでそういうことを言うの?

いきなり左手を掴まれて、指輪を取られる。宗四郎も自身の指輪を外し、亜白隊長へと返した。

「これはもう要りません。落ち着いたら店に行って、好きなもん選ばせるつもりでした」

胸がぎゅうと締め付けられる。宗四郎がわからない。何がしたいの?

「そうだろうとは思っていたが……私はあの時、朝霧を泣かせるなと言ったはずだが?泣いてたぞ」

そんな話をしていたの?もしかしたら、宗四郎のこっちに来てから…というのは本当なのかもしれない。それでも、裏切ったのはそっちだ。今更、許せるはずなんてない。

亜白隊長にもう一度よく話し合えと言われて、私たちは隊長室を後にした。
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