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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第18章 愛縛 〜縛愛〜


宗四郎の後を追っていくと、どこかの神社のようだった。辺りを見渡すと龍寧神社という文字を見付ける。確か、亡くなった討伐者が祀られているはず…私の両親もここに…。

江戸時代、この地で多くの討伐者が命を落とした。明暦の大怪獣が現れ、最も大きな戦いがあった場所。

「澪、持ってて」

隊服を受け取ると、宗四郎は日比野さんと向き合った。二人は純粋な肉体のみの勝負をするようだ。宗四郎の髪が風に揺れる。

いくら日比野さんが拳を突き出しても当たることはなかった。宗四郎の拳が日比野さんの顔に入っていく。

「カフカ。お前、強なったな」

確かに日比野さんの身体や動きは以前とは違う。見ているだけの私でもわかった。

宗四郎は隊式格闘術で日比野さんを倒す。日比野さんを鍛えることにしたようだ。

「怪獣は9号だけやない。その先にあるお前の未来の為に戦え。しぶとく生き延びて、僕から亜白隊長の隣を奪ってみぃ」

手を伸ばしてきたので隊服を渡した。私は黙って二人のやり取りを見ていた。

「その道を切り拓くのは、ほかでもない、お前自身の力や」

「はい…!」

二人して亜白隊長ばかり……少し…いや、かなり嫉妬したのは内緒。

綺麗に終わったのかと思うと、宗四郎は日比野さんの首を絞め上げ、絶対譲らんと叫んでいる。そんなに亜白隊長がいいのか…。

「いったあ!!澪!?」

後ろから頭を叩いて、ぷいっと顔を背けた。ささやかな抵抗として、隊服を奪い取る。帰るまで返さないもん。
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