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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第17章 愛縛 〜呟愛〜


手を繋いで基地まで来るとオペレーションルームまで来て、各隊員のデータを見ている。だが…重い。後ろから抱きつくように肩に腕を乗せられ、ほぼ覆い被さっている。

少しふらつくと重みで倒れてしまった。くっつきすぎ…。

「鍛錬が足りんのちゃう?このくらいで倒れとったらあかんやろ?」

「……勤務中はくっつかないで!」

ついイラッとして声を荒らげてしまう。スーツも着てないのに、大人の男を支えられるものか。しかも普通の男ではない。鍛え上げられた立派な筋肉を持った男だ。重いに決まってる。

「やや、澪にくっついてへんと落ち着かん。昨夜はあないくっついとったくせに…」

最後の言葉はいらないのだが…。いや、演技か?ここには私たちのことを知ってる小此木さん以外にも、たくさんのオペレーターがいる。でも、事実なので心臓が落ち着かない。

立たされて、今度はお腹に腕を回して腰に押し付けてくる。硬くなっていなくても存在感があるからやめて欲しい…顔がどんどん熱くなっていく。

仕事に集中出来ない…今までは勤務中はこれまで通りだった。演技をするのは休憩中や、移動の時のみ。演技じゃ、ないのかな?嬉しさがあるが、落ち着かなかった。

ポケットの中にある仕事用のスマホが鳴り、通知を確認する。第3部隊 雑談部屋のグループチャットだ。本部の方からの差し入れでケーキを頂いたとのこと。

データを見終わってオペレーションルームを後にした。
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