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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第16章 愛縛 〜爆愛〜


「澪ちゃん、ごめん…」

5日程経ち、仕事が残ってるからと遅くに帰ってきた宗四郎さんは香水の匂いを纏わせていた。

「仕事してたんはほんまや。帰りに捕まって…でも、すぐ帰ってきた」

「……ご飯は?」

どうでもいいから、早くその匂いを落として欲しい。首を振った彼にお風呂に入るよう言い、ご飯を温める。

本当に信じていいのだろうか…信じてバカを見ないだろうか…信じようと思ったのに、どうしていいかわからずに立ち止まる。

温め終わるとちょうど宗四郎さんがお風呂から上がってきて、後ろから抱きつかれる。

「澪の方が食いたいな」

「私が作ったご飯、食べたくないんだ…」

ちゃう!と慌ててご飯をよそい始めた。クスクスと笑いながらおかずをテーブルに運ぶ。食べ始める宗四郎さんを見ながら、好きだと心の中で呟いた。

宗四郎さんはすごい勢いで食べ終わるとすぐに片付けて、私をソファに座らせる。目の前にしゃがみ手を握って、優しく笑った。

「またなんも言わんの?」

「なんで…私から言わなきゃいけないの?」

言いたいなら勝手に言えばいい。誤解して欲しくないなら、そっちから弁明してよ。
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