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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第16章 愛縛 〜爆愛〜


「あ、乳首あった」

「っ、バカ」

後ろから抱きつかれるように乳白色のお湯に浸かっていると、胸に伸びてきた手が突起が触れる。あまり一緒にお風呂に入りたくはないのだが、シャワーを浴びていると入ってきたので、仕方なく一緒に入っていた。

「上官に向かってバカとはなんや」

「今、保科副隊長って呼ばれたいんですか?」

嫌やと首筋に口付けられる。
自分から上官って言ったくせに…。呼び方なんて宗四郎さんにとってどうでもいいのかと思っていたが、そうでもなかったらしい。嬉しさに口角が上がった。

ねぇ宗四郎さん…好き。そんな気持ちが幾らでも湧いてきて、胸は張り裂けそう。この人がいればそれだけでいいくらい想ってる。背中に伝わる愛しい温かさに胸を焦がした。

この人に何度でも愛を囁かれたい。想えば想う程、欲深くなっていく。

上を向いて肩に頭を預けると、薄く開いた赤紫と視線が交わった。この美しい瞳にいつまでも映っていたい。

「なぁ…えっちしよ。風呂ならええやろ」

首を振ると額を押さえられ、唇が重なる。もう片方の手は下腹部を撫でた。その手を掴んで、それ以上下に行かないようにする。

生理の時に性的な快感を得るとお腹が痛くなる。経血も見られなくないので、絶対にしない。

だから…腰に手を伸ばした。
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