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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第16章 愛縛 〜爆愛〜


その時、いきなり何かが飛び出てきて、宗四郎さんと引き剥がされた。

「宗四郎っ!」

この声…"アヤ"だ。
すぐにそちらに目を向けると、宗四郎さんにしがみついていた。

この人…どうして偽装だって知らないのに、こんなに食い下がるの?

宗四郎さんに抱きついているのがとても不愉快だ。この人は……この人は絶対に譲らない。
すぐに宗四郎さんに手を伸ばして、手を握る。

「宗四郎さん…私は宗四郎さんのもの。宗四郎さんは、誰のもの…?」

目を見開いた彼はすぐに笑顔になった。

「澪ちゃんのもんに決まっとるやろ」

宗四郎さんはアヤを無理やり引き剥がして低い声を発した。

「もう終わりや。元々終わっとったんや、掘り起こすな。なんかするんやったらしたらええ…この子はお前より強い」

なんの話をしてるのかイマイチわからなかったが、宗四郎さんが私を抱き締めてくれたのが、ただ嬉しかった。偽装なのはわかっているのに、アヤよりも私を選んだのは、本心な気がした。
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