第16章 愛縛 〜爆愛〜
執務室に来ると宗四郎さんの机に座らせられ、宗四郎さんは椅子に座った。膝に腕を乗せて、ニコニコと微笑みながら見上げてくる。なに…?
いきなり耳に手を当てたかと思うと、執務室にいるから連れてこいと言っている。誰か来るの?
「ちゅーは?昨日、していい言うてたやろ?」
誰か来るのでは?まさか演技を?わざわざ呼んでまで演技はしたくない。
人差し指で唇に触れると宗四郎さんは先程よりも口角を上げた。したいわけじゃないのに、惹かれてしまう。
だけど、近付いてくる唇から顔を背けた。宗四郎さんは目を開いて見つめてくる。
「……やっぱあかん?もう僕のこと好きやない?」
自分は言わないくせになんでいつも私に聞くの?
唇を尖らせて睨むように見つめると、可愛ええと囁かれる。どうしたものか…完全に演技に入ってる。
「澪ちゃん、好きや…」
激しく心臓が脈を打つ。でも、入り口に人の気配があるのに気付いて、熱くなった身体や早まった心音は治まっていく。
お互いの気持ちはお互いに知っているはずなのに、どうしてこうも虚しいのだろう。
私はその唇を受け入れた。じゃないと、今までの演技が無駄になってしまう。
激しく求められる唇に応え、必死に酸素を求めた。絡み合う舌が熱い。息が苦しくなって、宗四郎さんの隊服にしがみついた。
「……はよしたい。澪のこと、ぐちゃぐちゃにしたい」
いきなり何を言うのかと驚いた。演技だと気付いても胸が苦しい程、鳴り響く。好きな人にこんなことを言われたら、偽りだとしても嬉しくて仕方ない。