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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第4章 指令


「それで…今日は2人共帰っていいぞ。明日、隊員に発表する。その後、各メディアに正式に発表する形になる」

今日は出来るだけ世間に仲が良いところを見せつけておけと…。副隊長の両親にどう説明するかは任せると言っていたが、2人きりの時以外はしっかり夫婦に見えるよう振る舞え、ということだった。

不安はあるが、これは任務、副隊長を守る為、そう思えばいくらでも演技を出来ると思った。力がない私でもこの人を守れるのだと。

隊長室を出た瞬間から私と副隊長は夫婦になる。夫婦というものがどういうものかはいまいちわからない。

失礼しますと頭を下げてから廊下へと出る。

「澪ちゃん…帰ろか」

一瞬で副隊長の雰囲気が変わった…初めて名前で呼ばれた。どうしよう…心臓の音、聞こえちゃうかも。

手を繋がれ、一度私の部屋へ戻る。とりあえず、今日の分の着替えなどを持って副隊長の家に行くことにした。同棲…同居するところは副隊長の家にするようだ。

副隊長の家で、私の心臓持つかな…。

「僕のことは宗四郎でええで」

訓練中は今まで通りの呼び方、そうじゃない時のみんながいる場では名前で呼び合おうということだ。

「では…そ、宗四郎さんで…」

ん…と短く返事をして、部屋を出た。
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