第15章 愛縛 〜涙愛〜
「小此木ちゃん、何あいつ。めっちゃ怖いねんけど」
宗四郎さんの悲痛な叫びが耳を劈く。
「僕、あんなん着るの嫌やわ〜」
今度は情けなく言葉を漏らしていた。
だが静かになり、考えているようだ。
「澪ちゃん…よう聞いて。僕は死ぬ覚悟はある。死ぬつもりはあらへんけど……君を泣かすかもしれへん。それでも、なんも言わんで頷いてくれ」
了と返すと宗四郎さんは亜白隊長に話しかけた。
「奴の要求を呑もうと思います」
宗四郎さんがナンバーズを着る…わかっている。近接戦闘を得意とする宗四郎さんが、今よりも危険な前線へ出なければいけないこと。私からもっと遠のくこと。それでも私は頷いた。
宗四郎さんはまた10号がいる部屋へと戻っていく。
10号の前まで行くと、腰にある刀を抜き、肩に置く。
「お前が僕を使うんやない、僕がお前を使役うんや」
宗四郎さん怒ってない?青筋が…お綺麗な赤紫までお披露目して…。あの人は怪獣の前だと…本当に怖い。